猫といっしょに幸せに暮らせる夢のへやを探し求める管理人のゆめこです。
マンションの下見をするときに、賃貸だろうと分譲だろうとトイレのドアを開けて中を確認しない人っていないと思いますが、トイレを見るときには何を重視していますか?
トイレの広さ、窓の有無、ウォシュレットがついているか、このあたりが一般的なチェックポイントですよね。それプラス、コンセント、ラックまたはカウンター収納、手洗い器、手すりといったアクセサリーがあるとうれしいですが、賃貸ではめったについていません。
ところが、分譲マンションになるとなぜか設計者はここを重視します。場合によっては強引にねじ込み、その結果、かえって使いにくいトイレになっているケースもあるんです。
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目次
なぜ分譲マンションはトイレのアクセサリーにこだわるの?
賃貸マンションの場合、オーナーが入居者として想定しているターゲットは20~40代の若い世代です。高齢者を対象としたマンションでもない限り、家の中に手すりはないし、トイレにウォシュレットがない賃貸マンションもたくさんあります。
ところが、分譲マンションに暖房便座とウォシュレットがついていないということはまずありません。トイレの中に手洗い器や手すりがついているマンションも多いです。
分譲マンションの場合、賃貸と違って長く住み続けることを前提に設計しているから、ターゲットが若い世代であっても、老後を心配する人へのアピールなのでしょう。
駅に近いマンションなら、高齢者が終の棲家(ついのすみか)に選ぶことも想定しています。
また、私と同じように分譲マンションに賃貸入居する人もいますが、賃貸ではなく分譲マンションを選ぶ人は、家の中で過ごす時間が長いケースが多いです。
そういう人にとってトイレの快適さはかなり重要なポイントで、快適さをアピールするのに、トイレアクセサリーの充実はうってつけなんです。
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だからといって無理やりねじ込んだら使いにくい!
さて、私がつねづね「せまい!」と言っているうちのマンションのトイレの広さが果たしてどれくらいなのか、具体的な数値と、便器の配置を、わかりやすく図でお見せします。
トイレの広さを測り、メーカーサイトで手洗い器と便器の正確な寸法を拾い出して図にしました。
いかがですか?、見るからにきゅうくつです。
トイレのドアを開けたときに便器の先端が半分近く見えているし、便器に座ったときに手洗い器にもドアにも足が当たります。おまけに、便器の正面の壁が近すぎて、立ち上がるとき壁に頭を打ちそうになる。
へたに手洗い器があるせいで、トイレ内の動線がきついんです。
ドアを開けて中に入るときは左側に寄ります(便器がじゃまだから!)
↓
ドアにカギをかけるときはドア側に寄ります(やっぱり便器がじゃま!)
↓
便器に座るときは一歩下がって90度回転(やっぱり便器がじゃま!)
↓
立ち上がるときは壁に注意しながら180度回転(軽い中腰で水を流す!)
↓
手を洗うためにまた90度回転(このときも壁に注意!)
↓
出ていくときだけはまあまあスムーズ
この一連の動作はどんなトイレでも無意識に行っていますが、立てるスペースがあまりに狭いとけっこう目が回ります。ためしに40cm角くらいの四角の中でこの動作を行ってみてください。
うちのマンションではトイレの先端から正面の壁までわずか39cmしかないので、ほんとうに40cm角の中で回っているような感覚です。
そもそもメーカーが想定しているだけの広さがない!
ところでこの手洗い器ですが、メーカーさんが想定しているトイレの奥行きは150cmと135cmの2タイプです(※1)。それよりも広い分には問題なく取り付けられますが、うちのマンションのトイレの奥行きは117.5cm(実測値)しかありません。
約20cmも奥行き寸法が足りていないのに、「いいよ、いいよ、押し込んじゃえ!」と考える設計士と営業マンの人間性を疑いますね。
(※1 引用元:旧INAXカタログ http://ebook.lixil.co.jp/inax/cataloglib/pdf/SEWG01_22/SEWG01_22_P243.pdf)
上のカタログ画像からも分かるように、本来はペーパーホルダーはちゃんと手が届く位置にくるはずなんです。
手洗い器の視覚効果は大きい
いまでこそ頭にきていますが、最初にこのトイレを見た瞬間は、私も手洗い器があることを喜びました。猫を飼っていると、手洗い場はたくさんあるほうが助かりますからね。
でも、視覚的にだまされたという気もしています。
というのは、もしこのトイレに手洗い器がなかったら、最初に見た印象は「トイレがせまいな」だったでしょう。ところが手洗い器があったことで便利さと豪華さに気を取られ、「せまい」という問題があまり気にならなかったんです。
画像の壁面を塗りつぶして、手洗い器を無くしてみました。並べてみると、印象の違いがイメージできるかもしれません。
場合によっては管理会社に相談してみる価値あり?
この手洗い器があるせいでトイレットペーパーホルダーは使えないし、トイレがせまくて使いにくい反面、メリットはほとんどありません。
カウンター下のキャビネットは給排水の配管を隠しているだけで、収納量はトイレットペーパー3つ分しかないんです。私がもし分譲で購入していたのなら、真っ先にとっぱらったことでしょう。
けれど賃貸入居のばあいは、たとえ使いにくい設備であっても原則として「原状復帰する」ことが契約書に書かれているからやっかいです。
だからこそ、下見の時には実際にトイレの中に入ってみるなどして厳しくチェックしないといけないんですが、気付かずに入居してしまったときは、明らかに生活に不便があるようなら、ためしに管理会社に相談してみる価値はあります。
オーナーにとっても利益のある改修を行う場合や、一定年数、継続して入居することを条件にすれば、改修工事を認めてもらえる場合もあります。
トイレを改修(リフォーム)する場合の金額の目安は?
うちのマンションの例でいうと、現状の手洗い器を取り払ってカウンター付きのペーパーホルダーを設置し、便器を手洗い付きの省スペースタイプに入れ替えるのが理想的なリフォームです。
選ぶ便器にもよりますが、その内容のリフォームは10万円くらいで済みます。トイレの奥行きが120cmもないようなら、下の配置が一番使いやすいと個人的には思っています。掃除もしやすい。
でも、スタイリッシュ感を重視したいなら、おしゃれなコーナー手洗い付きのコンパクトトイレもあります。このトイレは奥行きがたったの65cmしかなく、明らかに日本の狭小トイレのリフォームをターゲットにした商品です(一般的なタンク式トイレの奥行きは76cm)。
改修する方が引越すよりは安く済むので、あまりに不便なら管理会社に相談する価値はあります。そして、まだこれから部屋を探すところなら、狭いトイレの中にある手洗い器やアクセサリーには、だまされないように気を付けましょう!
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