里親になるためには事前の審査があります。保護主さんが提示した条件をクリアしないと、里親を引き受けることはできません。
この条件、はっきり言ってめちゃめちゃ厳しいです。オールクリアできる人なんていないんじゃ…?と言いたくなる内容で、保護主さんにもクリアできていない人は多いはず。
里親を申し込むときにびっくりしなくて済むように、その内容を紹介します。
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譲渡(里親)の条件
私があるボランティア団体さんで里親を申し込んだとき、渡された用紙に実際に書かれていた確認事項を列記します。
【トライアル申込み時の確認】
- 家族全員の賛成
- 動物の飼育が認められた住宅に住んでいる(賃貸ならペット飼育可)
- 65歳以上は不可(未満の家族がいればOK)
- 完全屋内飼育
- 迷子札またはマイクロチップの埋め込み
- 健康管理と終生飼育に責任をもつ
- 愛情をもって接する
【正式譲渡の条件】
- 年に一度のワクチン接種
- 不妊手術の実施
- 近況を定期的にメールで知らせる
- 子供には動物との接し方についての適切な指導をする
【その他の注意点】
- 体調に異変を感じたらすぐに病院を受診
- 譲渡後に条件に反していることが明らかになった場合は強制的に返還を求める
- 第三者へ譲渡する際はかならず連絡を
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条件はホントに全部クリアしないといけないの?
分かりやすいように内容を簡潔にまとめて箇条書きにしましたが、実際の用紙には、紙いっぱいにぎっちりと文字が書かれていたので、私は最初に見たときちょっとビックリしました。
でも、ひとつひとつを丁寧に見ていくと、どれも当たり前の内容です。
年齢制限に不快感を感じる方もいるかもしれませんね。でも、長生きする猫は20年くらい生きるので、最後までお世話ができる年齢を考えて、65歳とされています。
実際には、70代で保護猫のお世話をしている人もいるし、定年後も元気でバリバリに働いている方もたくさんいます。また、北欧をはじめとした海外では、一人暮らしの高齢者が保護猫を引き取って一緒に暮らすことは、ごく当たり前に行われています。
じゃ、なぜ日本では年齢制限があるのかというと、大量の猫を家の中で飼っていた高齢者が孤独死をして、飼われていた猫が飢え死にするケースが後を絶たなくて、社会問題になっているからです。
ペットを飼うときに、自分が死ぬときのことや、そのあと猫がどうなるかまで考えずに、次々と猫を引き取っている浅はかな考えの人が少なくないのも、残念な実情です。
ほかにも目にする譲渡の条件
保護主さんによっては、確認事項にもっときびしい内容が書かれていることもあります。参考までに、よく目にするほかの条件をいくつかご紹介します。
- 家族全員で事前に面会に来ること
- 屋内禁煙または分煙(猫が煙を吸わないように)
- 玄関や窓に脱走対策をする
- 単身者は不可
- 猫の飼育経験がない人は要相談(または不可)
- 保護主の自宅から近い(目安は片道1時間以内)
- 猫の留守番の時間が短い(6時間以内)
- 電話やメールですぐに連絡が取れる
この条件ではじかれる人は、けっこう多いのではないでしょうか?
けれど、あきらめるには早すぎます。最初にも書いたように、保護主さん自身もこの条件をすべてクリアしているとは思えません。
それに、自分だって「はじめての猫の飼育」があったはずなのに、はじめての方はお断りなんて、ずいぶんと横柄ですよね?おそらく、保護主さんも不安なのでしょう。
確認事項はあくまでも目安
(トライアル契約時の記念写真。)
どんなことを要求されるのか、事前に知っておくことで、譲渡会に参加したりメールで問い合わせをするときに、びっくりせずに済みます。それに、直接会ってちゃんと話し合えば、「できるだけ努力します」と約束することで、おおかたの問題は解決します。
この記事で紹介している里親の条件は、あくまでも参考程度に心にとめておいてください。
用紙を見せてくれたボランティア団体の方も、「形式的なものなので…」と、言いにくそうに説明してくれました。
なぜこんなに厳しい条件を提示されるのかについては、下記の記事で詳しく解説しています。