猫を飼う前に知っておきたい大事なことのひとつが「猫の感染症について」です。
「外出猫」の3分の1は、FeLVかFIVという重い感染症を保菌していることが、統計から分かっています。 (※2008年 猫感染症研究会調べ)
数値からも分かるように、感染症の保菌は決して珍しいことではありませんが、もし発症してしまうと、その後のお世話はとても大変です。
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感染しているかどうかを確認する方法は?
ペットショップで販売されている猫は、生まれた直後から感染症の予防に気をつかって飼育されているうえ、子猫のうちからワクチン接種を受けていますが、保護猫は違います。重い感染症ウィルスを保菌している可能性があります。
(里親を引き受けた保護猫はFeLVにもFIVにも感染していた)
感染症の種類によっては、感染しているかどうかを血液検査ですぐに確認できます。検査の費用は、5,000円から10,000円くらい。
ビックリするほど高くはありませんが、1匹や2匹ならまだしも、動物管理センターやボランティア団体さんが、保護した猫すべての血液検査を行うのは大変です。10匹保護したら5万円、100匹保護したら50万円です。
このため、里親が決まったときに血液検査を行う保護主さんもいれば、ワクチン接種はするけれど、血液検査は行わない保護主さんもいます。
里親を引き受けるときは、感染症の検査を受けているかや、検査してから里親を引き受けるかどうかを決めてもいいか、先に確認しましょう。
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どうしても確認しないといけないの?
なかには、あえて検査を受けたくないという人もいるでしょう。なぜなら、すでに運命を感じていた猫に陽性反応が出たとき、里親を引き受けるかどうか、すごく悩むからです。
陽性と知って里親を断ることに罪悪感を感じる人もいます。その気持ちはとてもよく分かります。
でも、検査を受けるのはとても大事なことです。
里親を引き受けた猫がもし危険な感染症を保菌していたら、ほかの猫に感染させないように注意しないといけません。あなたがほかにも猫を飼っているなら、ほかの猫に感染する可能性はゼロではないし、ほかの猫に摂取させるワクチンの種類も変わってきます。
まして、感染症を保菌している猫を放し飼いにしたら、あなたの飼い猫がそこら中のノラ猫や地域猫に菌をまき散らして、感染を広げてしまいます。人間に置き換えて想像したら、とんでもないことだと分かりますよね?
だから、飼い猫の保菌状態を知ることはとても大切なんです。
(※画像は共立製薬のワクチンを摂取したときにもらったパンフレット:ワクチン名「フェロバックス」)
仮に感染していてもかならず発症するとは限らない
もしFeLV(猫白血病ウイルス)やFIV(猫エイズ)に感染していた場合は、発症しないように注意するしかありませんが、必ず発症するわけではありません。
感染症を保菌していると、保菌していない猫に比べてあまり長生きはできませんが、発症することなく、健康なまま10年以上生きる猫もいます。
ですから、感染しているのを承知のうえで里親を引き受ける方も少なくありません。
その一方で、万がいち発症した場合の治療費は高額で、病気の猫のお世話はとても大変ということも、ちゃんと理解しておきましょう。