私が保護猫の里親になろうと決めた後、いろいろな場所で引き取る猫を探しました。
最初は動物管理センターのサイトをチェックし、次に猫カフェを見に行きました。ネットで検索してみつけたサイトに問い合わせもしました。
けれど、「いい出会い」はなかなか訪れませんでした。
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目次
ペットショップで猫を買うことも真剣に考えた
ネットで問い合わせをした保護猫サイトの方に傷つくことを言われて、すっかり気落ちしてしまい、その後はペットショップにたびたび足を運びました。
なんたって商売だから、スタッフの方はみんなやさしく接してくれます。説明も分かりやすいし、なにより、かわいい猫がたくさんいます。
「もう、ここで決めようかな…」
何度かそう思いました。でも、わたしが保護猫の里親になろうと決めたのは、「救いたい」と思ったから。ひとつかふたつの命しか救えないけれど、それでも救いたいと思ったからです。
「もう一度、探してみよう」
ペットショップのかわい子猫たちに後ろ髪をひかれつつ、里親を募集しているサイトをみつけるために、再びパソコンに向かいました。
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最後に選んだ引き取り先がシェルター
その後は気を取り直して、あるボランティア団体さんのサイトをチェックしました。
以前からときどきチェックしていたサイトですが、そのころは個別の猫の写真がアップされていなかったし、自宅から近い場所でもなかったから、あまり気乗りしなかったんです。
それに、サイトにアップされている写真に写っている猫たちは、どの子も目やにや鼻水が出ていて、毛並みも悪くて薄汚れていました。一緒に暮らせば可愛いと思うだろうけど……と思いつつ、ほかのサイトがないか探していました。
保護猫を引き取りたいと言いながら、心のどこかで「できるだけかわいい猫がいい」と思っていたんですね、まるで商品を買うかのように。そんなよこしまな心が、私の足をなかなかシェルターに向かわせなかったんです。
けれど、遠いと言っても自宅から一番近いボランティア団体だったし、探すことに少し疲れてきたから、思い切ってサイトから問い合わせをしてみました。
わりとすぐに返事が来ました。キャピキャピした感じはなく、とても気さくな方で、細かいことをごちゃごちゃ聞かれることもなく、ストレートに「一度、見に来られませんか?」と尋ねられただけ。
何だか少し気持ちが軽くなったから、翌週、シェルターに出向く約束をしました。
シェルターで出会ったのは「きれいな猫」じゃなく「ステキな人」
実際に会ってみると、それまで会ったほかの保護主さんとは全く違うタイプの人でした。一方通行のおしゃべりをするのではなく、ちゃんとコミュニケーションを取ろうとしてくれる方でした。
「人」に好感を持てたことで迷いが消え、その日のうちにシェルターにいた猫の中から気に入る猫を2匹選びました。トライアルの日程は後で調整することに。
私が選んだのは生後半年の中猫。時期的に子猫はいなかったんです。
中猫もあまりたくさんはいなくて「選択肢」は少なかったけれど、もっとかわいい猫や子猫が入って来るのを待とうなんて気持ちは、みじんも浮かびませんでした。
「ああ、わたしは早く家族になる猫が欲しかったんだな」
この日、ようやくそのことに気が付きました。そして、「人」への信頼は、こんなにも気持ちに大きな影響を与えるということにも。
保護猫は引き取って終わりじゃない!
猫カフェや譲渡会のスタッフにあまり好感を持てなかったときは、たとえ気に入る猫がいたとしても、里親を引き受けるのはやめておくほうが無難です。
なぜなら、里親は猫を引き取って終わりじゃありません。引き取ったあとも、しばらくは保護主さんとひんぱんに連絡を取り合います。
あまり好感を持てない相手とひんぱんに連絡を取るのは、大変なストレスです。価値観の違いから、傷付くことを言われたり、けんかになることも考えられます。
わたしが保護猫を引き取ってから2年ちょっと。いまも引き取った猫と毎日楽しく暮らしているし、保護主であるボランティア団体の方とも良い関係が続いています。