猫は犬と違っていまだに放し飼いしている飼い主が少なくありません、ノラ猫や地域猫もたくさんいます。そして、ノラ猫の多くは、恐ろしい感染症を保菌しています。
あなたの飼い猫を危険な感染症から守るためには、ワクチン接種が欠かせません。そこで、代表的は猫のワクチンの種類を紹介します。
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3種混合ワクチン
ペットショップで売られている猫や保護猫の多くに接種されているのは「3種混合ワクチン」です。屋内飼育をしている猫のほか、放し飼いでも成猫(1歳以上の猫)には3種混合ワクチンを打つのが一般的です。
3種混合ワクチンでは、次の3つの感染症を予防できます。
- ヘルペスウィスル(風邪)
- パルボウィルス(胃腸炎)
- カリシウィルス(口内炎)
いずれも感染力がとても強く、弱っているときに感染したら死ぬ危険もあります。感染しても48時間ほどで死滅する菌もあれば、何ヶ月も生き続ける菌もいます。
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5種混合ワクチン
5種混合ワクチンは、3種混合ワクチンにプラスして次の2つの感染症を予防できます。
- 猫白血病
- 猫クラミジア
いずれも発症すると重い症状を引き起こし、持続感染すると高い確率で死亡します。
特に猫白血病は、ガンを発症する恐れがあるとても危険なウィルスです。発症すると高額な治療費が必要なうえ、つきっきりでお世話しなければいけません。
とても危険な病気ですが、軽い接触では感染しません。また、子猫や病気の猫は感染すると発症する可能性が高いけれど、健康な猫は感染しても発症しないケースもあります。
このため、屋内飼育の猫に5種ワクチンを接種する人はあまりいません。
けれど、放し飼いでノラ猫と接触する機会が多い猫や、屋内飼育でも同居猫に白血病ウィルスを保菌している猫がいる場合は、動物病院で5種ワクチンの接種をすすめられます。
(※5種ワクチンの接種証明書。動物病院でワクチン接種を受けると証明書を発行してもらえます)
猫エイズワクチン
もうひとつ、ワクチン接種で防げる危険な感染症に「猫エイズ」があります。猫エイズは、ノラ猫の5匹に1匹は感染しているほど身近にあるウィルスです。
激しいケンカをするオス猫ほど感染している可能性が高く、発症したら最後、治療法はありません。また、すでに感染している猫にワクチンを接種しても効果はないので、ワクチンを接種するときは先に血液検査を行います。
とても危険なウィルスですが、互いに噛み合うような激しいケンカをしない限り感染することはありません。ですから、完全屋内飼育ならワクチンを接種する必要はありません。
ただし、エイズウイルスは母胎感染もするので、生まれたときからエイズウィルスを保菌している猫もいます。保護猫はエイズウイルスを保菌している可能性もあるので、念のために血液検査は行いましょう。
また、5種ワクチンの場合と同じように、放し飼いでノラ猫と接触する機会が多い猫や、屋内飼育でも同居猫が猫エイズを保菌している場合は、猫エイズワクチンの接種も受けておくほうが安心です。
その他の注意点
感染症を予防するにはワクチン接種がとても有効ですが、飼い主の心構えも重要です。たとえ屋内飼育をしていても、危険な感染症をあなたが家の中に持ち帰るかもしれません。
空気感染するウィルスもありますが、危険なウィルスは舐めるなどしなければうつりません。けれど、猫はなんでも舐めるから口から感染しやすいんです。
そして、もしあなたの服や手に菌がついていたら、あなたの手を舐めたせいで飼い猫が危険なウィルスに感染するかもしれません。
飼い猫を危険なウィルスから守るためにも、帰宅したらまず手を洗うくせを付けましょう。
★こちらもチェック!★
「保護猫の里親になるときは感染症の検査を受けましょう!」