保護猫の里親に応募すると、譲渡の条件に「必ず不妊手術を行うこと」があります。
法的には飼い猫の不妊手術は義務ではありません。ではなぜ、里親になるときは必ず不妊手術を受けるように言われるのでしょう?
スポンサーリンク
猫の不妊手術はどうして必要なの?
放し飼いではなく完全屋内飼育をするとしても、飼い猫の不妊手術を行ったほうがいい理由はいくつかあります。それは、不妊手術をしていないと猫が色んな問題行動をしたり、病気にかかりやすいからです。例えば、
- メス猫は発情期になると独特の声で夜通し鳴き続ける
- オス猫は家の中のあちこちでオシッコをまき散らす
- オス猫は放浪癖が出て脱走が増える
- オスもメスも手術をしないとさまざまな感染症にかかりやすい
- 屋内飼育でも脱走して子供をつくる可能性がゼロじゃない
いずれも困った事態ですよね。特にオシッコのまき散らしはかなりやっかいな問題です。柱や壁、床の隅っこなど、いたるところでオシッコをします。
オシッコのにおいはそう簡単には取れません。そして、少しでもニオイが残っていると、同じ場所で繰り返し何度もオシッコをします。
また、あなたの飼い猫がオス猫なら、子供を産む心配はありませんが、万が一メスのノラ猫を妊娠させて子猫が産まれたら、その子猫の面倒はあなたが責任をもって見なければいけません。
だってその原因を作ったのは、飼い猫の不妊手術をしていなかった「あなた」なんですから。
スポンサーリンク
猫は1年に2回以上も出産する!
あなたが責任をもって子猫の面倒も見るつもりなら、あわてて不妊手術をする必要はありませんが、ふつうに考えて難しいでしょう。
猫は1度の出産で何匹も子猫を産みます。1回に5匹を1年に2回出産したら、1年に10匹の子猫が産まる計算です。そして、その子猫たちが、それぞれ翌年に10匹ずつ子猫を産んだとしたら…
半数がメスだった場合、単純に計算すると2年後には60匹に増えます。
さらに翌年は……、あまり計算したくありませんね。
ノラ猫とちがって飼い猫の子猫は死亡率が低いので、ほんの数年で爆発的に数がふえます。保護猫の多くは、無責任な飼い主によって増えた子猫の行く末です。
だから、多くの保護主さんはワクチン接種以上に不妊手術は重要だと考えています。
不妊手術を受ける時期は?
不妊手術はできるだけ早く行うほうがいいのは間違いありません。猫は生後半年ほどで妊娠可能となり、発情期をむかえます。
まだ子猫のうちは手術を受けることができませんが、発情期に入ると夜鳴きやオシッコまき散らしが始まるので、できればその前に手術を受けるのがおすすめです。
ただし、不妊手術にはリスクがあることも忘れてはいけません。
不妊手術を急いだせいで猫が重い病気になり、死んでしまうこともあります。また、メス猫はお腹を大きく切るので、術後のケアも必要です。
不妊手術を受けるときは、動物病院の先生からリスクを確認したうえで、猫の体調を見ながら、先生と相談して、いつ行うかを決めましょういましょう。